【レポート】Tech-inAWS#番外編 Outposts/Wavelength/Local Zones勉強会に行ってきました。
こんにちは!コンサル部のテウです。 年末年始の休みがこんなに良いものかを初めて経験した私は日本がもっと好きになりました!!(これは違うぞ!!w)
去年のre:Inventでは、AWSを導入したいけどネットワークのレイテンシのため導入ができなかったりしたお客様のためのアップデートが凄かったんですよね。 特に AWS Outposts / AWS Wavelength / AWS Local Zones の新サービスの発表は凄すぎて驚かされました。
あと、日本では唯一にKDDIさんが AWS Wavelengthの公式 Launch Partner になりました。(めでたいことですね!) 弊社も AWS Outposts の公式Launch Partnerとして、お客様のAWS Outpostsの導入支援を行うことになりましたが、Wavelengthも提供するKDDI社の AWS勉強会が開催されたので行ってきました。
外部向けのKDDI社の初AWS勉強会だったらしいですが、本当に初めだったかなと思ったほど良かった勉強会でした。
ちなみに弊社でも AWS Outposts のセミナーを開催させていただきますので、ご紹介させて頂きます。
目次
勉強会紹介
勉強会タイトル
Tech-inAWS#番外編 Outposts/Wavelength/LocalZones勉強会 新年、まずはAWS3兄弟から始めましょう!
登壇者紹介
- 大橋 衛さん
- KDDI株式会社 プラットフォーム開発本部 マネージャー
- 社内Publicクラウド推進戦略策定担当
AWS Outposts
AWS 公式資料
AWS Outpostsとは?
- AWSが使ってるのと(ほぼ)同じハードウェアをオンプレミスにレンタルしてくれる!
- AWS側がハードウェアの設備&維持管理をフルマネージドで行ってくれる!
- Outposts は AWS リージョンの一部を延伸した形で提供される!
AWS Outpostsの使い所
- Low Latency Telco Operations
- Legacy Applications
- Financial Services
- Content Production, Distribution and Gaming
- Real-time Inference
- Industrial Automation
つまり、低レイテンシが絶対要件のワークロードに使えるサービスってことですね。
ハードウェアの特徴
AWS Outpostsのハードウェアは大体こんな形になります。
- 24in/42Uラックだけど奥行が超長い(48インチ)
- 最低1Gbps以上のNW接続性が必要
- 電力要件は最小5kVA(商用利用なら10kVAは必須)
あと、ハードウェアの実機が展示された際の弊社のブログもございますので、気になった方はご覧になればと思います。
AWS Outpostsとリージョン
Outpostsの特徴の一つですが、Outpostsの実機の設備場所によらず必ず一つのリージョンに紐づきます。画質が悪いですが、Outpostsの実機がどこにあっても一つのリージョンにつながってることが分かる図です。
AWS OutpostsとAZ
AWS Outpostsは一つのAZとして見え、AWS側のVPC配下に置かれます。複数のAWS Outpostsを設置する場合は複数のAZのようにAWS側で確認できます。なので、AWS OutpostsだけでMultiーAZ構成が可能です。
AWS Outpostsの対応サービス
現時点では EC2, EBS, ECS, EKS, RDS等が利用可能になります。S3は年内リリース予定になります。正確な情報は公式ページからご確認ください。
ネットワーク構成
AWS Outpostsは2系統のネットワーク経路が確保されています。AWSへの接続はDXでもVPNでも可能ですね。より詳しい AWS Outpostsのネットワーク構成に関しましては、弊社の菊池が書いたブログをご覧になればと思います。
Outpostsのテリバリ〜運用は?
- 設置〜運用まで全てAWS側が実施してくれます
- オンプレ側の運用者は、LEDランプの確認(L1の接続確認)とAWSからくる作業員の入管管理のみになります(Outposts自体についてはそうですが、その他にも電力の供給や温度管理は当然含まれます)
- 運用者が見れるマネコンのようなものが提供されます
費用は?
- 費用は公式ページに公開されています。
- 現時点では最小構成/3年前払いで約$290,000(約3000万円強)ですね。
弊社のブログのご紹介(多すぎて一部だけ載せます)
[レポート] AWS OutpostsでAmazon RDSを使用してオンプレミスのデータベースを管理する #reinvent #DAT310
AWS Local Zones
AWS 公式資料
AWS Local Zonesの特徴
- 対象ユーザーから1msのレイテンシでアクセスできるように設計
- 親リージョンに紐付き1つのAZとして見える(利用には用オプトイン)
- 当初の対応サービスはEC2、EBS、FSx、ALB、VPC(シングルRDSも予定)
AWS Local Zonesのユースケースとターゲットユーザー
Outpostsが使いたいけど、場所はお金が足りてなく利用できない等の場合のためにAWS Local Zonesが使えますってことですよね。現時点では Los Angeles の一つの Local Zone がありますが、これから増えて行く予定らしいです。
日本の想定導入先とメリット
日本はアメリカと比べてはレイテンシの影響が無い(とは言えないですが)ですね。なので、都心部での活用メリットはあまり少ないのでは?と聞きました。(確かに) 地方のユーザーのみのサービスではメリットがあるかもですってことも聞きました。
弊社のブログのご紹介
AWS Wavelength
AWS 公式資料
MEC = Multi-Access Edge Computing
5G技術のための説明で必ず出てくる用語が MEC(Multi-Access Edge Computing)です。つまり、エッジサーバ側でユーザー側に必要なコンピューティングを行う概念になります。
AWS Wavelengthは5G時代の"MEC"として使う
- これまでのMECは各社が独自に作ったハード+ミドルであり、アプリのデプロイを環境依存を超えてフラットにやろうとする場合、コンテナだけが唯一な希望の光だった
- Wavelengthがあれば、AWSのVPC系サービスの全てがMECへのデプロイ対象にできる
AWS WavelengthとLocal Zones、何が違うの?
- Local Zonesは有線接続での近短折返しを実現するもの
- 一方、Wavelengthは5G等の無線接続での近短折返しを実現するもの
WavelengthとAZ
Q: Wavelength Zone とは何ですか?
Wavelength Zone は、5G ネットワークのエッジにある電気通信事業者のデータセンター内に AWS のコンピューティングサービスとストレージサービスを組み込んだ AWS のインフラストラクチャのデプロイメントです。このため、モバイル事業者のネットワークから出ることなく、アプリケーショントラフィックを Wavelength Zone で実行されているアプリケーションサーバーに送信できます。こうすることで、複数のホップからインターネットに接続することで生じるレイテンシーを防ぎ、お客様に 5G ネットワークを最大限に活用していただくことができます。Wavelength Zone によって AWS が 5G エッジに拡張されるため、世界中の複数の 5G ネットワークにまたがる一貫性のある環境を開発者に提供し、現在既に使用しているのと同じ使い慣れた AWS のサービス、API、ツール、機能を使用して、次世代の超低レイテンシーアプリケーションを構築できるようにしています。
まとめ
上のスライドがすごい良かったと思いました。まとめますと、
- オンプレミスデータセンタに置いて、自分で管理する場合 → AWS Outposts
- 固定網でMECを実装したい場合 → AWS Local Zones
- 5G通信でMECを実装したい場合 → AWS Wavelength
ってことですね。この三つのサービスはAWS単体では絶対に超えられない「ネットワーク遅延の壁」を超越するために産まれたって説明を聞いた瞬間、AHA! モーメントがやってきました。
KDDIさんの勉強会すごく良かったです。次回も参加したいと思いました。
以上、コンサル部のテウでした。